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つぐないきれるはずもない、あの人から
 



子供は、無邪気だ
おんぼろ我が家の二階には、昔から
見知らぬ人が住んでいる
今住んでいるのはへんなおばちゃんと、妹の友達
オレの小屋の下には、ギターをひく動物が住んでいる
別の小屋には、10年以上前から住んでいるけど一度も喋ったことのない
コロポックルみたいな女性が住んでいる
そして、僕が子供の頃
二階には、あいちゃんという女性が住んでいた
おそらく年齢はいまの僕らくらいだった
一人で暮らしながら何処かで働いていたようだ
たまに彼女の家にご飯を食べに行ったり、我が家に食べにきたり
何にもない部屋に遊びに行ったり
何にもなくてすぐ帰ったり
一体、全体、彼女は
こんなにキレイなのに、どうして結婚してないんだろう
ジュースもくれるのに、世の雄は何故なびかない?
子供ながらそう思っていた
他にもしーちゃんとかいう、人や
意味の分からない3人家族が、我が家には巣くっていたけど
やっぱりあいちゃんがいちばんやさしい
いちばん優しい目をして、
何を話すでもなく
微笑んでいた
今、思えば、
彼女の目は、僕を見守っている、それだった
動物をみる目をしていた
そんな彼女が傍にいるだけで安心感があったが
ある日、母上から、聞いてしまった
彼女の名前は、
サトウヒロコ(仮)
あいちゃんのあの字もない
オレは、生まれたとき
みんなに、
あきちゃん
あきちゃんって
呼ばれるから
この世の動物はすべて、あきちゃんだと思っていたらしい
目にうつるモノすべて、
例外なく、平等に、無邪気さをもって
こう呼んでいたらしい
あいちゃん
それから彼女の名はあいちゃんになった
これはとてもつぐないきれない
ではうたいます
さだまさし
つぐない
 
 
 
 


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