トップページ > Crypin Story > だから、今日は

だから、今日は

This Entry Tags :

DSC_0883_R.jpg

毎日が、素晴らしい
でも、突然、息苦しくなってしまう
そして、ときとしてまた苦しむことになってしまうかと
不安になってしまう
恥ずかしくなるけど、それが本当の私
でも、私は美しい
誰がなんと言おうと
どんな言葉でも傷ついたりはしない
どんなときだって美しいわ
そう、傷ついたりなんてしないの
だから 今日は、私を落ち込ませないで
-Christina Aguilera
 



魔物が、生まれるという
土曜の夜
いつだって、一週間で、一番ながい夜
退屈と共に、過ごす、生活に飽き果てた
僕のちっぽけな人生にとっては
大きな、意味をもっている、こともある
それは同窓会
70人近く、名を連ねた、五反田駅
ゆとり教育からの逃亡者たち
しんやさんの犠牲者たち
夕方
店へと、歩いて向かう、道中
久しぶりに、小学校の前を通りながら
携えたデジタルイチガンレフを抜刀

DSC_0880_R.jpg

ねむねむ、ねむの木
美智子様が、調子にのった、品川区に残された沼
池田山公園
僕の家から徒歩1分
しかしあの門をくぐったのは15年ぶりだ
待ち合わせまで時間があるので、奥地への進入も試みたが、
輝きをみせる、蜘蛛の巣を発見
背筋が凍るより前に、身体が後退のシグナルを告げていた
何とか収めた景色には、哀愁しか残っていない
僕だけがかぎとれる、侘しさとこの匂い

DSC_0871_R.jpg

栗さんちも撮って乗せようかと思ったけど、子供連れの主婦が行く手を阻んでいたため断念
彼是
中学生の頃から、10年以上の付き合いとなる
旧友から電話があり、はやめについたというので、足早に向かうことにした
彼女とは、たまの同窓会で会うが、今日会うのは久しぶり
彼女が連れている女性は
もはや二児の母
そう、世界が違う
開始時刻までベビーカー片手にマクドナルドで3人と1匹
時間を潰し、夜を迎える
店に入れば、もうはじまっている
一つ、わかっていることは
立食なのに、ガリさんは、たぶん一度も席を立っていない
久々に顔をあわせる人々は、
もはや、僕の青春の記憶からは、遥か通りすぎ
彼ら、彼女らの人生の歩みから、離れてしまっていたことを
寂しく思わせたりもする
五歳の長男を抱える、湘南ギャルにしかみえない
相変わらずの友人もいれば
小学校のときから、身長以外、何もかわっていない青森県民もいる
結婚したてのエリートもいれば、子連れの闘うママもいる
消防士もいれば、サラリーマンもいるし
ただのカスもいる
隣に座っている謎の女性から、
あの人誰ですか?と聞かれても、驚かない
僕が言いたいことは一つ
あなたが誰ですか?
しかし、僕を一番驚かせたのは、部長
太古の昔
僕の腕が、まだ曲がることを許されていた時期
あの夏をすごした、剣道部
部長、僕らにとっての、志々雄真実
いわく、歩く最強
いわく、喋る竹刀
いわく、存在がみねうち
その雄叫びは、今でも僕の耳から、離れません
遠くでソファに座って天井を眺めているあなたを見つけた僕は
声を掛けることすら、できなくて、
あなたには手が届かなくて、切なくて
すぐさま、恩田さん
部屋の端で、いつも通り指田さんの、人生の引き出しを
これでもかと引っ張りあけている
指田さんの、心の声が聴こえる
もう、ありません
もう、ないです
これ以上、何も出ないんです、許してください
でも彼はあけ続けているし、探し続けている
僕はそんな彼のライフワークに水を差しながら、言った
「部長がいます」
彼は席を立ち、すぐさま、駆けつけた
僕も後を追った
そして声を掛けた、部長に
僕「部長、ご無沙汰です」
恩田さん「部長、申し訳ありません」
え、何故か開口一番謝罪している
とりあえず僕も謝る
なんで謝ったのかよくわからないが、謝らなければならぬ空気が、そこにはあったのだ
まさか、部長がいるなんて、僕らはそう思った
恩田さんなんて、もう
「まさか部長に友達がいるなんて思いませんでした」
とか言ってる
それは当然だ
僕も彼も、部長の友達は竹刀のみ
そう思っていた
そうでなくてはならなかった
よもや同窓会などと俗的な集まりに、剣の道に生きた、捧げた
あなたがいらっしゃるなどとは
思いもよりませんでした、が
あなたは現にいらっしゃる
僕らはそれを感謝したいのです
僕らを隔てた、空白の7年間を埋めるべく、他愛もない話を繰り返した
部長は、恩田さんの名前を最期まで思い出せなかった
僕としみちゃんのことは覚えているのに、何故か一番頑張っていた男の名を忘れていた
しかし彼は、笑顔でこう言う
「いいんです、部長」
「部長が鈴木って言えば、オレ鈴木ですから」
成る程、理に適っている
それだけの力を、部長はもっているし
この再会に、僕らはそれだけサプライズしている
感極まった、彼は、人生の記念に撮影を頼んだ
僕と彼と部長
高校生活の3年間では叶わなかった、スリーショットの影には、7年間の歴史がある

P7111792_R.jpg

恩田さん、目つむってる・・・
しかし彼は部長にあえて、満足したのか、帰った
彼の中での、同窓会は、この瞬間終わったのだろう
僕も気持ちは同じだ
部長、ありがとうございました
あえて言おう、部長は、信長より強い
部長がもてば、ヴィトンも、凶器
この日、
レーシックで強くなった日吉君に囲まれるという、アウェイな空気から始まり
しかし結局は、いつも通り
男女共々、1-Aです、何も変わりません
のむさんにいじめられて終わりです
山崎さんには、六厘舎にいたのを一方的に目撃され
ようやく顔を合わせられました
河田さんとも30年ぶりぐらいに遭遇し、これで死んでもまずは文句もありません
以前飲んだ際に、いじめすぎたのか
みどりちゃんの、僕を見る目が、怯えている
大丈夫、平気だよ
あれから10年
変態とよばれるようになり、頭おかしいといわれるようになり
あなたのその、冷たい視線では、僕の心は揺らせない
また、近々、飲みにでもいこうということで、皆とも別れ
二次会に軽く顔を出し
カシスウーロンを、両足にまきちらし
びしょぬれになりながら、裸足にスニーカーで帰った
夏のはじまり
それは記憶のおわり
それは青春との別れ
それは前進の約束
それは、決して、不幸にならないという、覚悟
 

 
 


for Trackback URL

このエントリーのトラックバックURL

Comments

コメントしちゃう?

Posted by