トップページ > Crypin Story > 人は誰でもいつか、おくりびと、おくられびと
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それぞれの個性を認めるから
人生の不幸が生じる、のではなく、
自分の個性こそが
幸福や生命と認める、ことによって発生する
その瞬間はじめて
一人の人間としての矛盾や分裂、苦しみが生まれるのだ
-トルストイ



準備は、整ったようだ
僕たちがその日はじめることは、すべて彼のためでなくてはならない
飛び立つガチャは跡を濁さず
彼がいくら汚れても、僕らがすべて洗い流す覚悟で臨まなくてはならない
僕らのもてる全ての力を彼への圧力へとかえて
達成なくしてこの地へと戻ってくることは、とても叶わぬような一日にしなければならない
どうせ去り行くガチャならば、殺してしまおう、ホトトギス
おくりびと、あとはただ、待つだけです
 
いま、僕はとても、満ち足りた気分だ
いくらかよいモノをみて、触れて、考えて
微かな価値しか見出せなかったこの道のりに
いまなら、彩りをかんじることができる
内も外も救いようのない、自らの醜さに辟易しながら
その影を人の内にみつけては、同じように辟易し
心を奪われ、理性をもって見つめようとはしない
やれることをやらない日々を重ねてきたこと
悔しさを涙に変えなければいけない日が
いずれ僕の元を訪ねてくるだろうと知りながら
ただ諦めが先に訪れることだけを願っている
桜の花を、愉しめる人間に、一歩近付いた
 
5月に入ってから
予定の積み重ねと共に学ぶことが比例している
スラムドッグミリオネアを拝みに銀座へ行ったり
長野へ行ったり
殿のご機嫌取りに、安土城までUNOをしにいったり
ヒルズにストーキングしにいったり
日比谷公園にブリッジしにいったり
なかでも
信長宅で、久しぶりにやったUNOは、
誰も僕以外イカサマをしないので楽しかった
円卓を囲む仲間は皆、心優しい人たちばかりだ
隣のしんやさんなんて、僕にカードが見えているのに隠そうともしない
彼が、ドロフォーに手を掛けたとき、
僕が少し怯えた声を洩らせば
彼は黙って、山札からカードを一枚引くのだ
僕が2枚カードを重ねてだしても、気付かない、誰も咎めない
僕が隣のぺすが抱えているスナック菓子の中にいらないカードを忍ばせても、彼は黙ってカードとワサビーフを一緒に食べてくれる
勝利が約束されている時というのは、
僕の意志に関わらず
まわりが僕を、勝利へと押し上げてくれるのだ
いらないカードをクッションの下にいれて、
無事に一位通過した後に、
隣の彼に「このカードあまったからあげるよ」みたいな
そんな田舎社会ではごく自然な
隣の肉じゃが的行為が、東京都民の僕らでも平気で行える、この空間、仲間内
ただ一人、僕だけが、僕自身に
「いやいや、あまったとかありえないから、それゲーム違うから」
そう突っ込んで、心の中で笑っているのだ、勝利を片手に・・・
 
週末に至っては、
日々を仲良く、時を共に消費していく3人の輪に、入り込み
彼、彼女の心に充分な、しかし決して彼らには見えない傷跡を残しつつ
僕は確かに成すべきことを成し遂げ
撮るべきものをとり
知るべき事を知り
笑って、その中に入り込んだ
あの日起こったことに絶望することはないぞ
誰だって同じなんだ
僕のオリンパスの前では
僕が撮る側で、お前らが撮られる側なんだ

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それが一人だろうと複数だろうと同じさ
これはまた先週の話になるけれど
日比谷公園をうろついていると、聴きなれた、メロディ
エゴラッピン
右翼が武装警官にスピーカーで啖呵をきってる最中
確かに聴こえる
彼女の声
僕は主人をみつけた犬のように
園内を駆け回った、一体何処で歌っているんだ
あいにく、バリケードに阻まれ、彼女の姿をおがむことはできなかったが、やはり
ライブであっても彼女の声は衰える事無く
僕の期待に応えてくれた

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7日の日数を経て訪れても、あいもかわらず
芝生の上を走り続けていた
陽が落ちるまで
こうした日々が、僕の心に、多少の変化を及ぼした
頼りない
僕の持っている、僕の総て
知識、容姿、能力
貧弱なこの手持ちのカードから、目をそらさない
簡単なようで、避けてきたことだった
少しずつ、許していかなければならなそうだ
 


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