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Mmm What you say

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知ってますよ
いつだってきれいだってことは
と若い男はいった
でも今日はとってもきれいな服を着てるから
この服を着たのを見たことはありませんよ
どこかへおでかけ?
いいえ、これはトマーシュのために着たの
-存在の耐え難い軽さ



ケエイトオウィイインズレット
主演女優賞きた
うちの中でタイタニックはなんでもない映画だけど
ホリデイを観てから、夢中
嬉しそうな顔が本当に嬉しそう
なんか当たり前っぽいこと、言ってるね
当たり前だし
主演男優賞はショーンペンだったかな?
ショーンペンも好きだなー
男性俳優では一番好きかも
声と演技が、いちいち重いし
沈黙が重い、ミスティックリバーの時は格好良かったなあ
シャープなジャイアンって感じの佇まい、憎めない
 
アカデミー賞なんてどうでもいい賞だと思っていたけど、なんか嬉しいね
昔は、くだらない事で小さく喜んでいる事も
くだらないと思っていたけど、今は結構満足してるよ
そうして僕は仕事を終えて、家に帰り
お風呂へ入ろうと母屋へ向かうと
母上が、僕を出迎えこう言うんだ
 
アカデミー賞
「おくりびと」
とりましたね
 
え、あ、はい
・・・はい・・・
みたいですね・・・
 
この血の繋がった
骨を包んだ目の前の肉は
その眼光は、何を語っている
お前は何故、オレに聞く
僕が、知らなかったらどうするんですか・・・
僕が、映画なんて何の興味もない男だったらどうするんですか
大体そんなことどうして言うんだい
 
頭から次々と沸き起こる疑問と、その答えを探す暇を
彼女は与えてくれなかった
しかし絶妙のタイミングで、僕の心の中まで見透かしたような答えを
彼女は持っていた
用意していた
綿密に計画された、罠だった
  
もっくんは希心会なんですよ
 
そこかよ・・・
あなたそれ言いたかったの・・・
用件は済んだかい
じゃあ僕は、明日への一歩を踏み出していいかな?
お母さん
あなたの人生に、優しい眼差しを捧げます
僕はもう振り返らない
 
ふと過去の思い出が、よみがえってくる
幼稚園に入ろうという頃、
僕はひどく、行くのを嫌がったらしい
そんな記憶はあいまいにもないのだけれど、そう言われるとそんな気もしてくる
毎日何をして過ごしたのかも覚えていないが
たまに白金を歩いていると、あの頃しか過ごさなかった、あの空間が
家々、町並みが、とても懐かしく感じられるし、眩暈がしそうな感覚に陥る
僕はきっと、あの頃に戻りたくないんだろうね
何故、幼稚園に行く事を嫌がったのだろう
それはきっと、現状に満足していたから
そうとしか考えられない
確かに、幼稚園に入ってしまったらもう
永遠に抜け出せない道に足を踏み入れた感覚があって、それを思い出す
そんな事を3,4歳児の段階で思っていたと考えると
今すぐタイムマシーンに乗って、あの頃の自分に会いに行って
フリスク食べさせたい、というかひねり潰したい
唯一明確に、覚えている過去の記憶が
将来の夢について
僕は本屋さんになりたいと書いた
紙をまとめて、表紙をつくり
卒業アルバムをつくるように、
キレイに糊付けしようとする慎重な思いと、
気付かぬうちに生じているズレに、諦めを抱く思いを
繰り返しながら
当時5歳児程度の自分でもできるだろう
簡単であろうという理由だけで、僕は書いた
本屋さんになりたいと言った
20年経った今
改めて思うと、かわいくない
生意気な、希望のない、幸せとかけ離れた
愚図・・・
 
その割に、そこら中に転がっている
希望や、夢といった文句に惑わされ
なんにでも成れると思っていた時期もあった
生涯賞金が支給されると聞いてからは、楽そうだから
意味もなくノーベル賞をとろうと思ったこともあったし
医者になりたいと思ったこともあったし
心理学者になりたいと思ったこともある
やればできるだろうという、
何の保証もない安心感と
無知な心に騙された
自分を騙すのは難しいと思う
でもある日、
もう何年も自分を騙していたのだと気付く事もある
何がなんだかわからない
でも一つ確かな心で思うのは、あの頃
希望とか夢が、そこら中に転がっていたこと
そんな文句を真に受けた、自分がいたこと
愛と勇気だけが友達でいい
誰かに言う通り、言われたことをやっていれば
その先に自由な選択肢があると思っていたかもしれないし
何も思わず、空虚な安心感でだらだらと時を過ごしながら
 
気付けばこの年齢で、周りからは宇宙人と呼ばれている
 
だから僕は、世界中の子供たちから、夢を奪ってあげたい
やらなきゃやられるんだって事を教えてやりたい
なんて事をお風呂に入りながら考えている自分を振り返り
ほっぺをひっぱたきました
悪い子です
僕が悪い子です
僕がおかしいんです
家族の愛から卒業してもう10数年が経ちます、辛い人生です
だから昔に帰るために、カルピスを買ってみました


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