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帰ってきたら、アンプが壊れてる・・・
みゆき中島が聴けない・・・映画観れない・・・
ちょーショックだよ・・・買うか・・・
映画観れないとか・・・音楽聴けないとか
耐えられない・・・
日曜お昼見てくるかな・・・
今って何がいいんだろ・・・パイオニアかな・・・
あーショック、設置面倒、買いなおすまで早川美和が聴けないとか無理、死んじゃう
音響はとりあえず・・・どうにかするとして
昨日は昨日で、もはや僅かしか残されていない
僕の心のダム・・・それが
決壊
つまり・・・いわゆる・・・
合コンという名の、断頭台へと歩を進めた
僕みたいなボンクラを、友人が誘う理由は一つ
売れない魚を売るには、隣に腐った豚を置け
ようは、捨て駒
いざの際には、皆が僕を踏み台にして
光の扉を開けるのだ
二十歳を過ぎた頃
ある日の僕は、一つの事実に気付いた
合コンに誘われたことがない
一体何故だろう、不思議に思って友人に聞いたみた所
彼は、哀れむような目でこう言った
「明臣さん平気で毒吐きそうなんで・・・」
やめろ・・・
僕を見るな・・・
そんな哀れんだ目で、僕を見るのはやめろ!!!
あれから5年ほどの月日が流れ
何度かは、お呼ばれする幸運も授かるようにはなったが
いつだってそう
僕のポジションは、神風
合コン
人によっては、こう言うだろう
「呑むのが楽しい」
どうぞご自由に
でも僕は、お酒弱い
別に呑むの楽しくない
また人によっては、こう言うかもしれない
女の子とお喋りしたり、
飲み友達になったり、そういう出会いが良いんだよ
そうですか、結局呑めるかどうかですか
お喋りしたり?
いいんじゃないですか
でも僕は合コン行く度にこう言われます
「あなた頭の中どうなってるんですか?」
「頭大丈夫ですか?」
「こりん星人?」
お喋りというか・・・ただの罵倒です・・・
ふー、みんなしんじゃえ
つまり、僕にとって合コンは、戦場と何ら変わらない場所であり
自身の戦闘力を発揮する、場であり
そこには相手が剣を構えて、待っている
そういう場所だ
20:00 -高円寺駅改札前
抜刀
相手は5人、こちらも5人
5対5で、正面きって席へ座る
いつもこの、お互い微妙に空気を察している感じが苦手でしょうがない
視線は何処におけばいいの?
天井、眺めていいんですか?
ウーロン茶、頼んでもいいですか?
久々に会うメンバー
1ヶ月ぶりくらいだろうか、
新年初顔合わせということも含めて、とりとめもない話を繰り広げる
肝心の女性陣
僕の射程県内には3人の女性
隣には早稲田、こたくん
店の予約時間は2時間
1分切れ負け
ゴングは鳴った
届くサラダ
目の前の彼女は、巧みな箸使いで、取り分ける
4名分
「せめて、私の近くにいる人は幸せになってほしい」
そんな慈愛の精神が垣間見える
最中
皆は仕事は何をしているか?
どんな繋がりなのか?
名前は何というのか?
自分たちの事は何も話さないのに、ひたすら質問をしてくる彼女たち
その業火は僕にも降りかかる
「僕はニートやってます」
「皆さんは何してる方なんですか?」
彼女たちは沈黙して顔を見合わせている
「なるほど、サラダ取り分ける仕事ですか?」
「うまいですね、トマトの角度が芸術的だと思います」
「そいえばLost見てますか?」
「24は微妙ですよ」
「Lost見たほうがいいですよ、あ、自分トマト食べれないです」
サラダを取り分けていた一名
ノックアウトKO
開始10分にして、彼女が僕と目を合わせる事は二度となかった
残り2名・・・
映画の話で盛り上がっているかのように見えつつ
水面下で行われている優位な精神の奪い合い
どちらが、場を支配するか
心の摘みあい・・・!!!
僕とこたくん、残る2名の女性
プラトーンだ、ニューシネマパラダイスだなんだと話しながら
やはり人間
考える事は汚い・・・下衆・・・
奇しくも映画好きが4人固まって集まってしまったがゆえに
それぞれ場を楽しんでいる事を演じるのに、それほどの苦労は要さない
邦画が好きだという目の前の彼女が「カイトウ20メンソウ」とかいう
金城武の映画がおもしろいとあつく語っている
僕は邦画については全く観ないけれど、一つ気になっている作品がある
「そういえば僕」
「『誰も守ってくれない』って映画観たいんですよ」
「なんかそういう、もはやそれセリフじゃんみたいなタイトルに惹かれるんですよね」
「世界の中心で愛を叫ぶとか」
「『今夜はハンバーグ』みたいな感じでときめいちゃうじゃないですか」
目の前にいた
看護婦のお姉さん
それまでは笑顔で話してくれていたあなた
二度と僕に微笑みかけてくれる事はなかった
ラスト1名
ゴング終了間近
一刻も早く帰りたい状態の僕は、時計をチラチラ気にしながら
ひたすらキムヨナしか単語を出してない、まるでタンバリンをたたくゴリラ
だーれもしゃべんないから、僕はひたすら一人で身の上話
最近何をやっても面白くないこと
もう色々どうでもいいやって気分だってこと
地球滅んでもおkって感じだってこと
話したら、全然信じてもらえなかった
人生を謳歌してそうと言われる
しかも指をさして、こう言うんだ
お前は悪者だって、そう言うんだ
だから僕は、お母さんの事を話したんだ
子供の頃の思い出を話したんだ
地面が太陽を照り返す、真夏
アスファルトに咲いたタンポポ
あつくてあつくて、死にそうだった僕の手を離して
「あら、まあ素敵なタンポポ」
灼熱の大地で、我が子を忘れタンポポに捧げる視線
「お母さん、前に進みたいよ・・・」
「のどが渇いたよ・・・」
「あついよ・・・」
僕の思い出
いいかい、地球を愛したら、その分誰かが不幸になるんだ
だから僕は、自分以外何も愛さない事に決めたんだ
調子にのって、しんやさんのアフレコ喫茶での奇跡まで話しちゃってたら
気付いたんだ
5人いた、女性陣、全員
僕を見る目が、動物園の猿を見る、その目だったんだ
走って帰ったよ
空を見上げて、いつも、思い出すんだ
「行かなきゃ良かった」
そう、毎回思ってる
行く度に、思ってる
「頭大丈夫?」
行く度に、言われてる
「君おかしいよね」
毎日、言われてる
僕の友達は、合コンで彼女を作ったと言っていたね
僕は別に彼女なんて探していないんだよ
気が合う女性なんているはずがないから
それでも・・・ただ・・・
このつまらない・・・日常から解放してくれる何かがあれば・・・
話し相手が見つかったらいいな
そう思って、街へ繰り出すんだ
でもいつも同じ
言われるセリフは、何も変わらないよ
会社でみんなに言われるのと同じなんだ
「頭の中どうなってるんですか?」
誰も守ってくれない
癒やされたい