沖縄第三話と最終話:思い出の上に立つ曖昧な人生
全てを語る前に…
この男について…
話す必要があるだろう…
鎮目裕史(しずめゆうし)
通称:しんや
人は皆
路上に根をはる雑草に気を止める事はあっても、
大地に生える雑草は容赦なく踏みつける。
アスファルトを越えて成長し続ける、その魂に、敬意を表しているのか?
あるべき場所にあるべき姿で立つ生命との差は、一体何なのか?
人は何のために、アスファルトに立つ雑草を祝福するのか?
いわば、彼はそんな男なのである。
その答えなのである。
草?木?
いや、もっと何か、とてつもなく、大きい
大木・・・
平成に聳え立つ屋久島杉なのである。
やすまろ「とにかく…皆を運ぼう」
やすまろ「もう海は充分だ…」
Worldx「しんや、ここは引くんだ…」
Worldx「ここで引くのは…敗北ではない…」
Worldx「お前には、頂点に返り咲く能力がある…」
Worldx「無茶をする必要はないんだ…」
Pes「はいそうですかと、「納得」すると思っているのか?」
Pes「オレが?」
しんや「なんという事だ…」
しんや「…その…レーザーレイサー…」
しんや「いや…筋肉と言うべきか…そして…」
しんや「…お前…私と同じ能力を持っている…のか!」
Pes「なっ!?」
Pes「なっ!」
Pes「何を言っているッ!」
しんや「君」
しんや「一人かね…?」
しんや「さっきの…たかととひろまさと言ったか…ね?」
しんや「まだ溺れているのか…?」
Pes「う、動くな…!」
Pes「少しでも動いたらナマコを掴むぞ…ッ!」
Pes「オレは海から出ない…!」
Pes「暗くなるまで泳ぐッ…!みんなで…ッ!」
しんや「私の名は『鎮目裕史』」
しんや「年齢25歳、自宅は池上線長原の高級住宅街付近にあり…結婚はしていない…」
しんや「仕事は赤羽でプログラマーとして派遣されている、毎日遅くとも9時には帰宅する」
しんや「タバコは吸う、酒も好きなだけ飲む」
しんや「深夜1時には床につき、必ず6時間は睡眠を取るようにしている…」
しんや「寝る前には暖かい姉を眺め、冷たい弟の視線で身体をほぐしながら床につくと殆ど朝まで熟睡さ…」
しんや「赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに、朝、目をさめるんだ…」
しんや「血液型診断でも、中途半端と言われたよ」
Pes「な…何を話しているんだ!?」
しんや「私は常に『心の平穏』を願って生きてる人間ということを説明しているのだよ…」
しんや「『勝ち負け』にこだわったり頭を抱えるような『トラブル』とか夜も眠れないといった『敵』をつくらない…というのが」
しんや「私の社会に対する姿勢であり、それが自分の幸福だということを知っている…」
しんや「もっとも闘ったとしても私は誰にも負けんがね」
Pes「・・・・・ハッ!」
しんや「つまりPes君…君はわたしの睡眠を妨げる『トラブル』であり『敵』というわけさ」
しんや「ナマコを掴まれる前に…」
しんや「この場をおさめさせてもらうッ!」
Pes「オレの両手にはナマコがあるんだぞッ!」
Pes「トドメを…刺すッ!」
ビュッ!
Pes「…!?」
Pes「これは…ヤドカリ…!?」
かずや「しんやさん…君がいなければ…おれは…」
かずや「…死んでいたな…」
Pes「…ッッッ!」
Pes「たまげたな」
Pes「まさかその身体で立ち上がってくるとはな…」
Pes「しかし別の見方をすれば…気がつかないであのまま溺れていた方が幸福だったのにな」
Pes「その海パンから向こう側の景色が見えそうだぞ…」
かずや「いい海パンだな」
かずや「だがもう泳げないようにたたっこわしてやるぜ…」
かずや「きさまのナマコの方をな…」
Pes「…」
Pes「なかなかおもしろそうなヤツだな…」
Pes「君のお母さんの名前とか色々と君のことも知りたいところだが」
Pes「無駄話をしてる暇はもうないんだ」
かずや「…ガ…ハ…」
Pes「フフ…」
Pes「今の君のヤドカリだが…」
Pes「『ナマコ』に対抗しようとしたようだが…」
Pes「すごく『パワー』が弱かったぞ…」
Pes「小島よしおのギャグみたいに簡単に平静を装えた」
Pes「そんなに弱ってて私の『ナマコ』のパワーに勝てるとでも思っているのかね?」
Pes「ほら…!次の『ナマコ』だーッ!」
かずや「フン」
Pes「ウ…」
Pes「ウニだとォーーーーーッッッ!!!」
Pes「キ、キモイ…な…なんだ…?」
Pes「このキモさは…」
かずや「よく見たらやれやれ」
かずや「趣味の悪い『水着』だったな…」
かずや「だがそんなことはもう気にする必要はないか…」
かずや「もっと趣味が悪くなるんだからな…」
かずや「『ナマコ』の形の方が…」
かずや「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
かずや「オラァッ!」
ナマコ「ぶげあああっ」
Pes「(き…きもすぎる…)」
Pes「(なんだ?このウニ…)」
Pes「(節足動物のようにキモすぎる…)」
Worldx「今のうちだ…ッ!」
Worldx「陸にあがれ…!」
Worldx「帰るぞッ…!」
僕たちは何とか、Pesの暴挙を乗り越え
無事海を離れる事ができた。
たかともひろまさも、無事救助された
勿論、帰りの車では死んだように眠っていたけれど、命があれば
命があればいいんだ
そう思える程、極限の体験をしたのだと、思い返して考える。
一つ、気に掛かってやまないことがある。
しんやさんだった
10年近い付き合いの中で、今まで、彼に対抗できる『敵』はいなかった。
どんな障害も乗り越えてきた
ライオンが、大草原で悠々と昼寝をするのは
己の力を過信しているからでもなく、外敵がいないからでもなく
圧倒的な力をライオンが持っているからだ。
しかしもし
ライオンに対抗できる生物が、同じ野に放たれたら?
ライオンはその自らが持つ力ゆえに、その生物と共存はできないのだ。
しんやさんが、あのまま終わるはずがない…
横で運転しているPesを見て、僕はまだこの旅が終わりではないのだと確信していた。
その日、遊びつかれた僕たちだったが
ホテルへ戻り、すぐさま食事へ向かう事にした。
ホテルで、同室のかずやとこの旅行を振り返っていた。
残す日数はもう一日もない
早朝から遊び尽くしたが、未だ満ち足りぬ想いは二人とも一緒だった、が
お互い、ここまで8人でやって来れた事に、誇りを持っていた。
数時間後には床につき、朝にはもう沖縄を発たねばならない。
この旅はきっと、よい思い出になるだろうと、僕たちは話していた。
Worldx「あ、車に携帯忘れてきたみたいだ」
Worldx「ちょっと取ってくるよ」
Worldx「店は予約してある、もう数分だけここで待って、すぐ出て行こう」
Worldx「じゃ、少し行ってくるよ」
僕は部屋を出て、車に向かった
駐車場へ出た、その時だった
何か、何なのかは分からない
しかし、そこにあるべきではない「何か」が
僕たちのレンタカーの中にいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・ッ
「…あ、あ…あ…あ…」
「あああああああ…」
「ああああああああああああああああああああああああ」
僕は部屋へ戻った
Worldx「オレは何も見なかった」
Worldx「みんなで…行くんだ…」
Worldx「中華料理屋に…行くんだ」
Worldx「食卓を囲むんだ…この旅を終わらせるんだ…」
かずや「どうした?顔が青いようだが」
Worldx「行こう…じ、時間だ…」
かずや「そうだな」
Pes「こっちはみんな準備できている、行きましょうか」
博史「しんやさんがいませんね」
やすまろ「久しぶりだな、こんな人数で食卓を囲むのは…」
皆、部屋を出て通路に出ると、聴こえてくる
メロディ
通路からエレベーターまでは真っ直ぐ進むだけで
僕たちの部屋は通路のつきあたり。
一階に降りるまで、一つの通路を進み
エレベーターの前にある、ソファを横切り、エレベーターのボタンを押すだけだった
たったそれだけの単純な道のりを、何か途方もなく、
辿り着けるイメージすら沸かせる事ができない
異様な空気に、13階全体が包まれていた。
博史「しんやさんは…下にいるんでしょうか」
かずや「行くしかないだろう…下にいなければ、待てばいいだけの事だ」
やまないメロディ
Listen Shinya…
Listen Shinya, Listen Shinya, Listen Shinya
I can be your Shinya
I can be your Shinya……..
思い出という器から…溢れ出た…遠い記憶
私の家で、いつものように二人でくつろいでいた時
しんや「『ガチャピンに成る方法』があるかもしれない。」
Worldx「…?」
しんや「おい、妙な顔をするな。」
しんや「わたしの言ってる「ガチャピン」とは「精神」に関する事だよ。」
しんや「精神の向かう所…」
しんや「コスプレって事じゃあない。」
しんや「精神の「力」も進化するはずだ。」
しんや「そしてそれの行きつく所って意味さ。」
しんや「本当の幸福がそこにはある……「ガチャピン」に成る事ができればな。」
しんや「幸福とは、無敵の肉体や、ナマコを持つ事や、」
しんや「人の頂点に立つ事では得られないというのはわかっている。」
しんや「真の勝利者とは、「ガチャピン」を見た者の事だ…。」
しんや「どんな犠牲を払っても、わたしはそこへ行く。」
この事だったのか…
やすまろ「ば、ばかな…こんな事が…」
かずや「あるはずがない…」
たかと「終わってなかったのか…戦いは…」
Pes「これが…初めにナプキンを取るという事…なのか…?」
しんやの本気は疾走する。
笑いは…追いつけない…。
思い出とは、実に曖昧なモノである。
確かな記憶と思われた、過去の思い出が、
実の所、紛れもない自身の手によって合成された
偽りの過去
これは、有り得ない話ではない。
僕の友達「博史君」は、FFをやっていた頃
サイバーと呼ばれるほどのチャット魔だった
これは僕含め、かずや、たかと、ひろまさ
誰もが知っている事で、実際に出会った事のない
FFで知り合った人々の認識も同様のモノ…だが
当の本人「博史」は、全くそのようには思っていない
自覚していないのではなく、嘘をついているのでもなく
彼は、女性に放った卑猥な言動と、友人同士で交わした他愛もないやり取りを、混合し
彼にとって、何一つ偽りのない記憶へと
少しずつ、少しずつ、形成していったのであった
この場にいた、7人にも同様の事が起こった
彼とかずやが、唯ソファに座っているだけの記憶がもはや
僕の脳裏では…既に…
こうなっている…
Pesとしんやさんが、記念にとホテルに着いた当日
肩を組んでいる姿が…
脚色されている…
ただ…テレビを見ているだけの彼ですら
真実に思い返す事すら…
許されない…
精神の行き着く先…
僕たちが向かうべき中華料理屋が、この圧倒的スケールの前に
どれだけ矮小な目的で、どれだけ小さな「力」だったのか
しんや「祝福しろ…ガチャピンにはそれが必要だ」
僕たちはもう、何も言えなかった
黙って、中華料理屋まで、足を運んだ
店に入っても、夢はまだ…覚めない…
事もあろうか…
同じ店で食事をしていた子供たちも
屈託なき問いを投げかけてくる
1号「何してんの?撮影?」
2号「サイン頂戴」
3号「あたしにも頂戴」
4号「しねよ」
人を酔わせるのは何も、アルコールだけとは限らないのだ
食事をしながら、僕たちは、かつてない酔いを体験していた。
僕たち7人は、この空気に、奇跡に、現実に
明らかに酔っていたし、
何か引き返せない、とてつもない「力」を間近に感じていた。
帰り道、国際通りで、前を歩いていたしんやが足を止めた。
しんや「決着をつけよう…Pes」
しんや「そうさ…君たちが求めていたのは…この私さ…」
しんや「『本気』もみせた…『サイン』も求められた…」
しんや「もうどうやら…安心して熟睡できないらしい…」
しんや「ただし『今夜』だけだッ!」
Worldx「なにやってんだてめェー!」
しんや「見てのとおりだ…」
しんや「切り離す…」
しんや「い…痛いよ…」
しんや「なんて痛いんだ…」
しんや「視線をいっぱい感じるし…」
しんや「涙まで出てくる…」
しんや「だが私には勝ち負けは問題ではない…」
しんや「私は『生きのびる』…」
しんや「平和に『生きのび』てみせる」
しんや「私は人を笑わせずにはいられないという『サガ』を背負ってはいるが…」
しんや「『幸福』に生きてみせるぞッ!」
しんや「このガチャピンはもう…私には必要ない…」
しんや「Pes…お前が…使うんだ…」
しんや「誰が言ったんだったか…」
しんや「社会は…『最初に取った者に従う』…」
しんや「Pes…お前が…」
しんや「使うんだ…精神の行きつく先を…お前が…」
Pes「な…何を言ってるんだ…」
Worldx「や、やめろッ!」
Worldx「思い出を…これ以上思い出を壊さないでくれッ!」
Worldx「もう充分だろうッ!」
しんや「私は信じているぞ…Pes…」
しんや「ようこそ…ガチャピンの世界へ…」
しんやはこうして、沖縄の闇に消えていった
Pes「う、うわああああああああああ」
Pes「すぅぅぅぅんごぃパゥワ…」
Pes「ハァッァアッァァァ」
Pes「すんごいパワアだ…」
Pes「フフ…この旅を終え…しんやさんではなく…私が手に入れた…」
Pes「誰もが『敬意を払うなにものか』…ガチャピン」
Pes「このパワーの下には、味方しかいない…」
Pes「味方とは、尊敬の念でもなければ、圧倒的な強さ…でもない…」
Pes「味方とは、『思い出』…だ…」
Pes「誰もが…私に対して抱く…良い思い出…」
Pes「その世界には…もはや現実すら無力…」
かずや「こ…こいつ…何を言ってるんだ…」
Pes「人に何かを伝えるというのは素晴らしい事だ」
Pes「だが時としてカスが残る…」
Pes「『現実』というカスがな…」
ひろまさ「み、見ろ…」
ひろまさ「一体、何が起こっているんだ…通行人が…どんどん倒れていく…」
ひろまさ「死んだのか…?眠っているのか…?」
たかと「脈はあるようだが…息はしていない…」
Pes「現実は必要ない…」
博史「Pesッ!お前なのか!」
Pes「私がいくら高みに登ろうとも何の意味もない、必要なのは…友人たちの『思い出』」
Pes「この世には…もう…私にとって!」
Pes「よい『思い出』しか存在しなくなるッ!」
Pes「この旅を終え、私はそれを手に入れたッ!」
Pes「つまり、私を知る者以外に『思い出』は…ない…」
Pes「直にお前たちもそうなるがな…」
■神奈川県横浜市港南区港南台スーパー前
市川夏江「山田さん、昨日肉じゃが作りすぎちゃったんだけどもらってくれないかしら?」
市川夏江「今、うちの子も沖縄へ旅行に行ってて、お父さんしか食べる人がいないんでねぇ」
山田「ありがとう、助かりますわ」
山田「いつもいつもありが…と…」
ドサ
市川夏江「や、山田さん…?」
市川夏江「山田さん…!?大丈夫?!」
市川夏江「だ、誰か!誰か救急車を…!」
市川夏江「え…み、みんな…」
市川夏江「店員さんまで…倒れている…」
■神奈川県逗子市消防署3階
林「市川さーん、ちょっとこの書類に判子押してもらっていいですか?」
市川権座「いいだろう…、入りたまえ」
林「すみません、ここにちょっと押してもらうだけでいいんで」
林「あ、朱肉つけすぎないでくださいね」
林「それにしても市川さん、相変わらずキレイなへ…や…」
林「g…」
市川権座「林、どうした?」
市川権座「おい、いきなり何寝てるんだ」
市川権座「いや、息を…していない…だと…?」
市川権座「誰か!誰かいないか!」
市川権座「誰もいない…」
市川権座「一体、どうなっているんだ…」
■名古屋、となる喫茶店
大兄「ノブさん、今度のかめはめ波選手権だが…どうする…?」
ノブ「そうですねェ…、果たしてオレが出る程の大会になるかどうか…」
ノブ「やはり相応の舞台が…必要ですからね…」
大兄「そうだな…もしノブが敗北した際にはオレも出よう」
ノブ「え、に、兄さんが!?」
ノブ「やめてください!遊びにならないですよ!」
ノブ「大会といえどエンターテイメントなんです!」
ノブ「お願いですから!に、にいさ…ん…」
大兄「おいおい、ノブさん」
大兄「いくらノブさんでも話しながら寝るなんてレベル高すぎるだろう」
大兄「ノブさん…?ノブ…?」
大兄「みゃ、脈が…」
Worldx「だ、だめだ…」
Worldx「電話もつながらない…」
Worldx「一体どうなっているんだ…」
Pes「現実は私を中心に…『思い出』に変わる…」
たかと「たった今…アメリカで西海岸からとてつもないスピードで…」
たかと「人々が睡眠に入ってるというニュースだ…」
たかと「奇跡的に起きているOndoriと名乗るハッカーが世界規模に…通信を仕掛けている」
Worldx「何が起こっていると言うんだ…」
Pes「お前たちの知っている…世界…常識…社会…全て」
Pes「私への『思い出』へと変わる」
Pes「私が私であり、お前たちがお前たちであるというのは」
Pes「確固たる現実のようでいて、実の所…如何に曖昧な…」
Pes「記憶の…思い出の上にあるのか…」
Pes「時も…記憶も…もはや何の意味も持たない…」
Pes「必要なのは…思い出だけ…」
Pes「さらばだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“えー、SMAPのイチナオこと市川直樹さんが”
“昨日を持って、この人気アイドルグループを脱退し”
“本格的に政界へ足を踏み入れ、総理大臣を目指すという発表を行い”
“本日夕頃には記者会見をひらかれるというニュースです。”
Worldx「ん…朝…か」
Bee「ほら、Worldx」
Bee「早く起きないと学校に遅れちゃうわよ、ちゃんとご飯食べて」
Worldx「分かったよ…母さん」
Worldx「あのイチナオがSMAP脱退かー、やっぱ日本の宝だなァ」
Worldx「あれ、だいあにぃさんは?」
Bee「ああ、だいすけなら整体師のセミナーだって言って早くに出て行ったわよ」
Worldx「ちぇ、兄さん今日は遊んでくれるって言ってたのに」
Bee「遅刻するわよ、ちゃんとランドセル持って、宿題は机からちゃんと持ってきた?」
Worldx「ああ、行ってくるよ、晩御飯にトマトは出さないでよー」
Worldx「ヒロシ、行ってくるよ!いい子にしてまってろよ」
Worldx「帰り道でまたビーフジャーキー拾ってきてやるからな!」
ヒロシ「ワン!」
Bee「(犬を飼いだすなんて言いはじめた時はどうなるかと思ったけど、買ってあげてよかったかもね、ふふ)」
かずや「わーるどくーん」
Bee「ほら、Worldx、かずくんが迎えに来たわよ」
Worldx「聞こえてるって!母さんはいちいちうるさいんだよ!」
Worldx「かずくんお待たせー、行こー」
かずや「なぁ、今日のニュース見た?」
かずや「イチナオがSMAP脱退だってさ」
かずや「やっぱ憧れだよなー、あんなに人気グループでトップなのにさ」
かずや「そっから更に総理大臣目指すっていうんだからよー」
Worldx「それならニュースでちょっと見たよ」
Worldx「寝起きだったからあんまり覚えてないけど、やっぱかっこいいよねー」
Worldx「いつかうちらもあんなふうになりたいなー」
かずや「いやいや、無理だって!」
かずや「うちら小学生が、どんだけ未来あるっていってもさ」
かずや「やっぱ人間って器ってのがあると思うよ」
ひろまさ「その通りだね」
かずや「うお、ワセ君、いたのか!」
Worldx「ワセ君、おはよー」
ひろまさ「ずっと後ろにいたよ」
ひろまさ「でもやっぱイチナオはすげーよな」
ひろまさ「オレもお前らより一個上の学年でさ」
ひろまさ「やっぱ若いっていいなって思うけどさ」
ひろまさ「若さとかじゃどうにもならなそうなオーラ持ってるな、あいつは」
ひろまさ「日本の歴史上であんなすげーやついないんじゃないんかな」
ひろまさ「前イチナオが5分で書いて出版したお料理本なんて、ミリオンセラーだぜ、3時間で。」
かずや「そういえば昨日のサイコメトラー英士見た?」
Worldx「あ!昨日からはじまったやつ?」
かずや「そうそう、あれうちらと同年代らしいぜ」
Worldx「そうなんだ、すげーなぁ」
かずや「お、やすまろとたかとじゃん」
かずや「たかとー、やすまろー!」
たかと「お」
やすまろ「おはよー」
Worldx「いつものメンバーが揃ったね」
Worldx「じゃ、学校いこっかー」
Worldx「イチナオの話は遠い世界すぎて、気がまいっちゃうよ!」
Worldx「(ふふ…しかし今日見た夢はみんなには言えないな…未来の思い出なんて)」
Worldx「そうだ!今日も昼休みはラジコンやろーぜー」
「誰もあなたになれない事を、知ってしまう、それを永遠と呼ぶのだろう」
時間よ止まれ
この手に止まれ
一縷の雨は途切れて消える
誰も貴方になれない事を
知ってしまうそれを永遠と
呼ぶのだろう
想いは指を絡めるように
この夜を次第に燃やして行く
さよならの終わりを擦り抜けて
今でも身体を抱く
蛍 この星を舞い上がれ
遠く近く照らして踊れ
その一瞬が永遠だと
貴方は教えてくれたひと
時間よ止まれ
この手に止まれ
光の影は薄れて落ちる
握り締めた二人の手のひらが
汗ばむ熱を上げていく
側にいて側にいて繰り返し
今でも哀しみを抱く
蛍 この闇を舞い上がれ
涙で霞む夜空を踊れ
その一瞬が何もかもだと
貴方は教えてくれたひと
硝子越しでもかまわないと
私は無力さを晒して行く
愛なんてわずかなものを
頼りにしたあの夏を
蛍 この星を舞い上がれ
遠く近く照らして踊れ
その一瞬が永遠だと
貴方は教えてくれたひと
蛍 鮮やかに心を焦がせ
強く弱く光って踊れ
全てのときは一瞬だと
貴方は答えてくれたひと
貴方は教えてくれたひと
完
思い出をありがとう!
- Posted by at : 2008.9.30 | Comments [2]
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-2008年10月9日 11:28 PM
こばわん!Xさん^-^
第3部面白かったです~すごく長編でしたね
ウニがっ・・・・・^^;
ガチャピンが・・・・・・^^;
それにしても
ものすごく濃厚な旅行でしたね・・・・
最後の締めは
ちょっぴりジーンとしましたけど
ここまで書き上げるXさんはさすがですね
mistの映画の話も途中読みましたが
私には絶対無理な映画です(^-^;A
怖いのとか
グロテスクな感じだめなんです・・・
また違う映画
楽しみにしてますっっ!
ではおやすみなさーい☆
-2008年10月11日 12:24 AM
まってましたー!
いつもいつもありがとうございます!
心温まるコメント
嬉しさのあまり、今夜はステーキでした。
みすとですが、うちもぐろいのは苦手なんですよ
まあ二人で見たので、安心して見れましたけどねー
他にも何かおすすめあったら書きますねー
ありがちょう!