沖縄第一話:盗撮と芸術の狭間で揺れるキャベツ共
この夜空にさっき流れ星を見た…
「三つ」だった
「三つ」…たしかに「三つ」だったんだ…
君は何処から来た…?
自分が「何者」だか知っているのか?
この日記の閲覧が真の「目的」か?
違う… そう違う
だが…この「日記」は、
あとほんの少しで私と君の友情をぶち壊す領域まで踏み込んでいる。
これは偶然だ、偶然このギリギリの「内容」で止まったんだ
これ以下の内容では私は日記を書く気にはならなかっただろう
どうする?
君の意志だがちょっと「コメント」をしてみるか?
だが、その前に君は「引力」を信じるか?
人と人との間には「引力」があるという事を
私は今、それを信じた。
君は私を押し上げる為にいた。
君は私の沖縄旅行という「引力」に引っ張られてここに来たんだ
今夜の晩御飯は何かななんて事でエネルギーを消耗しているんじゃあない
気がついていないのか?
君の「感想」は正しい方向へ使うのだ
そしてお前は…自分の「目的」が何なのか…?
たぶん知らなかったようだが…
これから知ることになる…
今回沖縄へ向かったメンバー8名
今回の旅行発案者であり、此処まで僕達を押し上げてくれた現役プロボウラー
かずや・・・!
神奈川県東地区港南台郵便局大船専門逗子高等消防署勤務喋る筋肉
ぺす・・・!
早稲田
ひろまさ・・・!
関西からの刺客、人間サイボーグ、歩くオニオンソードの異名を持つ男
たかと・・・!
山崎パン高井戸工場ピクルス担当
やすまろ・・・!
アメリカ合衆国大学在籍でいながら帰国時に日本語が上達しているという暴挙を体現する男こと渡米した屋久島
しんや・・・!
お待ちかね、ゆとり教育の申し子、高校生皆伝
中学時代のあだ名は「野生のキャベツ」
現在千葉第一期総理タイ人を目指し目下シムシティ中
ひろし・Noris・ミヤコ・・・!
そして初めて出会う女性には必ず「頭の中どうなってるんですか?」と聞かれる僕
Worldx
予定通り、僕たち8人は12時に羽田を出発した。
当日の予定は、近場のビーチで沖縄を満喫する
それも半端なビーチじゃあ駄目だ
これは沖縄の海なんだと、一発で誰もが分かる
澄んだ、水色の、白い砂浜
僕たちに必要なのは、この要素だ
いいか、勘違いするな、ビーチとは泳げる海ではない。
僕たちは沖縄に到着し、レンタカーを受け取り
ビーチへ向かった
僕たちの計画に狂いはなかった
唯一・・・
足りないものがあったとすれば・・・
常識・・・
ホテルに荷物を置き、考えられる最高の速度で、手段で
ビーチへ到着した僕たち
僕はその場で服を脱ぎ捨てビーチへ駆けて行った
何か、ビーチ全体に聞き覚えのある音楽が鳴り始めたが
そんなものは僕に何の関係もなかった
沖縄の海という、僕の想像で限界値まで膨らんだ太平洋に足を踏み入れた瞬間
その温度を感じ、これなら寒がりの僕でも泳げる、そう思った刻
海の中から、ライフセイバーがこう言った
「本日の遊泳時間は終わりました。」
勢いあまって孤独にも海水に足を着けた僕は
都博史に400円とオーザックを手渡し、ビーチサンダルを買いに行かせた。
この時点で、彼がこの旅行に来た意味の9割は消化される事となる。
とにかく・・・僕たちの物語は・・・ここから始まる・・・
沖縄時間 PM 6:00 Worldx:海水浴未遂
沖縄に辿り着いた僕たち8人が、あの時、あの場で、あの旅行に
その8人でいる訳は、はっきり言って、特にない
いつもどんな飲み会であれ参加しているメンバーもいれば、なかなか顔を出す事も少なく今回は参加している者もいるし
初めて知り合う者同士もいる。
だが、そんな状況を差し置いて、僕たちはあの時
一つになった
誰もが空を見上げ、打開策を出す訳でもなく
ただ、目の前の現実と、目の前の目的地の狭間で、
全てを受け止めるより他に取るべき道はなかった。
各々が声をあわせ
「実にオレ達らしいじゃないか」
と呟いた。
手に入れた2台のレンタカーへ乗り込み、僕らは夕食の予約をした
ステーキハウスへ向かった
目の前にあったはずの澄んだビーチは、瞬く間に景色へと、風景へと変わっていった・・・
目的地は国際通り
沖縄最大の都市
那覇にある、歓楽街
ステーキハウスへと入り
予約席へと通され
食事を待ちながら、僕は他の7人の存在すら忘れ
店員へと問いかける
「お姉さん、沖縄は長いんですか?」
「僕達8人で沖縄来たんですけどね」
「沖縄まで来たはいいものの」
「いつも一緒にいるもんで、今更話すことないんですよ」
「僕とトークしませんか」
店員「・・・」
その後の会話も、食事も、もはや覚えてはない
僕は元来、無意味な撮影は好かない太刀だ
そんな僕が血迷った鳥などを取っている
その意味を考えろ…
到着当日は、辿り着いた地が沖縄である必要は何処にもないような
ありふれた生活を、ありふれたメンバーで
意識する事もなく、夜を迎える
今思えば、その日の夜
かずやと語り合った2,3時間が
もっとも楽しかったかもしれない
あの時の僕たちは、前を見ていたから
次の日早朝から離島へ行く予定だという事すら顧みず
全てを楽しんでいた・・・
純粋に・・・
僕達が、そんな実に人間的で、友情の上にしか成り立たない、
有意義な時を過ごしている間にも
都さんは一人
「俺はちっと風にあたりたいからドライブしてくるよ」
だなんて、自分に酔うことしか考えていない
ッ…
風を知る年齢かッ…!!!!!
各々が胸に、想いを掲げ
二日目の朝を迎える
ホテルから出される朝食など、見向きもせず
僕たちは那覇から向かう
伊江島
それは、南の島
高速を利用し、ナビを駆使し、下町を通り
本部港から出るフェリーを求め
車中に於いても言葉少なに、この旅行を決定付ける何かを求め、走り続けた。
フェリーへ着くと僕らは、船内の売店にあるカップそばやおにぎりを朝食にし
風景には、余すことなき感嘆の声をもらし
同じく離島へ向かう人々との会話を愉しむ
Worldx「おらさ岩手から来たぬらべっちゃ」
Worldx「つおっと集合写真なんてしゃれたもんどりだぐで」
Worldx「ちいとこのボタンぽちっとおしでぐでまでんが?」
Worldx「とりやえずおしてもらえでば、そりゃあもういいのとれまずんで」
そうして完成する集合写真
彼なんてもう、僕らが何を言うでもなく訴えかけている
言葉を発するでもなく、伝えようとしている
東京から来た僕らに、沖縄の英知を、歴史を、素晴らしさを
物言わぬ圧倒的風景を持つ被災地が、時にどんなアナウンサーよりも雄弁に現状を訴えかけるように
彼の眼は、幼女をひたすら写真に収めている僕に、
景色を撮るでもなく外人、幼女、しんや以外をフレームにおさめない僕に言う
カメラを構えた僕にこう言う
「今なら見えるはずだ…、光の道を見ろ」
「フェリーに乗り進み、伊江島へ行け」
「俺はそれを祈ってるぞ…」
「そして感謝する…」
「ようこそ…男の世界へ…」
僕はこう答える。
「オレは『正しい』と思ったから撮ったんだ。」
「後悔はない・・・こんな世界とはいえ、」
「オレは自分の『信じられる道』を歩いていたい!」
僕たちは海を渡り、海へ辿り着いた
僕は、無我夢中で、更衣室が例えあろうとも
太陽の下、生まれたままの姿を経て、水着へ着替えた
その足で、海へ・・・
底へ・・・
何処までも透き通るこの海の・・・その先へ・・・先へ・・・
何が見える・・・?
プランクトン・・・?
朽ちた珊瑚たち・・・?
否・・・
それはフグ
それは小魚
それはヤドカリ
続いて、ぺすが飛び込んでくる
その姿を、海上から、照りつける太陽の下で眺めながら
僕はフェリーでのやり取りを思い返す
・・・・・・・・・・・
Worldx「ぺすさん」
Worldx「既に二日もあなたが守るべき逗子消防署をお留守になっている」
Worldx「そんな価値がこの旅行に?」
Pes「フン!いい質問だな」
Pes「いいだろう、いい機会だ」
Pes「この旅行が終わった時…その時…この地球上に『どんな事が起こるのか?』説明してあげよう」
Pes「たとえ話で…」
Pes「君はこのテーブルに座った時…ナプキンが目の前にあるが…」
Pes「君はどちら側のナプキンを手に取る?向かって「左」か?「右」か?」
Worldx「普通は…左…でしょうか…」
Pes「フム…それも…正解だ…」
Pes「だが、この「旅行」においては違う」
Pes「『宇宙』においてもと言い換えてもいいだろう」
Pes「正解は、『最初に取った者』に従う…だ」
Pes「誰かが最初に右のナプキンを取ったら全員が「右」を取らざるを得ない」
Pes「もし左なら全員が左側のナプキンだ、そうせざるを得ない」
Pes「これが「社会」だ…土地の値段は一体…誰が最初に決めている?」
Pes「お金の価値を最初に決めている者がいるはずだ、それは誰だ?」
Pes「民主主義だからみんなで決めてるか?それとも自由競争か?」
Pes「違うッ!!!」
Pes「ナプキンを取れる者が決めている!」
Pes「この世のルールとは「右か左か?」このテーブルのように均衡している状態で一度動いたら全員が従わざるを得ない!」
Pes「いつの時代だろうと…この世はこのナプキンのように動いているのだ」
Pes「そして『ナプキンを取れる者』とは万人から『尊敬』されていなくてはならない」
Pes「誰でも良いってわけではない…無礼者や千葉出身はハジかれる…」
Pes「…それは『敗者』だ」
Pes「仮にこのテーブルに「フリーザ様」がつかれているとしたら」
Pes「たとえどんな人間だろうと…ローマ法王でさえ「フリーザ様」のあとにナプキンを取らざるを得ないだろう?」
Worldx「フリーザ様…」
Worldx「…どういう意味ですか?…この旅行に何の関係が…?」
Pes「『たとえ話』だよ『た・と・え』だ!」
Pes「この旅行が終わる時、私の繁栄が始まるという事だ」
Pes「この海でそれが手に入る…」
Pes「世界中の万人が…『敬意を払う』なにものかがな…」
Pes「それが『真の力』だ」
Pes「その力の下には「味方」しかいない」
Pes「最初にナプキンを取る事のできる人間になる」
Pes「その『円卓』にこの『市川直樹』が座る事になるのだッ…!!!」
今、こうして無事に東京に辿り着いた我が身を振り返り…切に思う
あの奇跡から…
よくぞ無事…帰って来た…!
次回「第二話:その男、栄光を掴む」につづく
- Posted by at : 2008.9.24 | Comments [0]
- Category: [Crypin Story]
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