今日は、朝から、スタバへ行って勉強すると決めていた。
昨日、仕事が終わり、家についたのが2時近く。
いけるのか?スタバへ。懐疑的なきもちのまま、眠りにつき
起きたオレは、スタバへと向かった。それは勉強するためだった。
午前中は勉強する。そう決めたからだ。自分で決めたことを実行する。
この当たり前のようで、小さな困難を、すこしずつ乗り越えていくこと
これが自身の成長へとつながるとしんじていたのだった。
そして今日、オレはそれを遂行した。
スタバへ着くと、二人掛けのソファが向かい合っているテーブルがあった。
片方のソファには、カップルが二人、仲良く談笑している。
それと向かい合っているソファは空だった。
オレはテキストの入ったバッグをそこに置き、マーキングした後
持参のタンブラーへと、ドス黒い何かを注ぎ込み、その対価として金を払った。
席へと戻って、二人掛けのソファに陣取り、スペースをあますところなく使い、
目の前をみつめた、さっきまで仲良く愛を確かめ合っていたカップルの、時が止まっているようだった。
心なしか、彼女の目が、黒目に覆われ、凍てつく視線でオレを眺めていた。
オレは彼女の瞳をそっとみつめ、頷いた。
二人は、明らかにゆるやかに傾いた会話のスピードの
ぎこちなさを確かめ合うように、沈黙をたしかめつつ、時をほぐしていた。
その目の前で、オレは、身を乗り出して二人の会話をきいていた。
5分ほど経った所で、二人は去っていった。
お前たちの覚悟はそんなものか。しかし誰が彼らを責めることができようか
ここは戦場である。弱肉強食の世界。
これだからスターバックスはやめられねえ
そしてオレは次の挑戦者を待った。
ほどなくして、二人の女子が、ドレスみたいな衣装でやってきた。
相手にとって不足なし。オレはただひたすら、全力で見つめ、全力で耳を傾けた。
どうやら二人は、声優の専門学校に通いながらバイトで生計をたてて暮らしているらしい。
片方は無職の彼氏と同棲中で、生活費も渡しているという。
なんて健気な子なのだろうかと、ひとみをうるませていると、
二人が動いた。戦況が・・・動く・・・
何故か二人が、何かのキャラクターのアフレコをしはじめた。
オレはもう駄目かもしれないと思った。
こいつらにはかなわないかもしれない、そう思い始めたあたりで
今度は歌い始めた。隣の席で読書中の女性が、ヘッドフォンをつけた。
後ろで話しているおばさんたちのボリュームが上がった。
環境に対応していた。オレだけが彼女たちに立ち向かい、そして敗北した。
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